「マカロニえんぴつ」がオヤジをも惹きつける理由 摩訶不思議な魅力はどうやって生まれたのか

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今回の「大人の涙」においても、「TIME.」という曲のはっとりのボーカルはまるで奥田民生だし、「ありあまる日々」という曲は、タイトルがUNICORN「すばらしい日々」ぽくって、中身は同じく彼らの「ミルク」という曲に近い。

ただ違うのは、当時のUNICORN(特に後期)に感じた、聴き手をはぐらかそう・はぐらかそうという姿勢を、マカロニえんぴつの作品には、それほど感じないことだ。つまり開かれている感じがする。あさっての方向に向かっても基本ポップで、決してマニアックにならない。

このあたりはUNICORNとの時代の違いか、または音大での学びも影響しているのだろうか。そんな「変なことをやっても、基本ポップ」という感じは、同様に若者に人気のOfficial髭男dismに通じるものがあると考える。

オヤジリスナーをわしづかみにした楽曲

さて、『大人の涙』収録曲について言えば、リードトラックは#1「悲しみはバスに乗って」。テレビの音楽番組で見て驚いた。それ以降も、全曲飽きさせないが、オヤジリスナーには、特に#3から#6がいいと思った。

#3「たましいの居場所」にはクイーンみを感じ、以降#4「ペパーミント」にビートルズみ、#5「ネクタリン」にテクノポップみ(?)、#6の「愛の波」にユニコーンみ、という感じ。

ビートルズ、クイーン、テクノポップ、そしてユニコーン……ある意味、これだけオヤジにも開かれた若手ロックバンド(29~34歳とのこと)はないのではないか。

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