2浪東大落ちの彼が「24歳で高校の副校長」の裏側 1点差で東大に不合格、なぜ副校長になったのか

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2浪目は予備校の先生に言われたとおりに勉強するのをやめ、やってよかった予習・復習の習慣を残しつつ、早い段階からの過去問対策を始めます。

夏・秋の東大模試ではA判定を取り、力試しで受けた夏の京大模試では全国1位を獲得するまで力をつけました。

「最後まで苦手だった」と語るセンター試験は780/900点だったものの、事前に決めていた東京大学、早稲田大学、中央大学を受けた桐原さん。

しかし、中央大学は合格したものの、早稲田は補欠が繰り上がらず、東大は最低合格点からわずか1点差で不合格となってしまいました

それでも、この1年の取り組みで、東大への思いを断ち切ることができたようです。

「もう、これは運命だと思いました。自分は中央大学の法学部に進んで、やりたいことをやろうと吹っ切れました。2浪目は東大に入るのが目的じゃなくて、手段だという意識だったので、中央大学に進むのも政治家や官僚になるための手段だと割り切ることができました」

教育への思いを、大学で行動に移した

2浪して東大に惜しくも届かなかった桐原さん。それでも彼は、浪人という経験を決してネガティブには捉えていません。

彼は浪人してよかったこととして「目的と手段を整理して、ゴールを達成するために今何をやるべきかを考えられるようになったこと」、頑張れた理由を「社会をよくしたいという思いと、親へ恩返ししたいという思い」と語ってくれました。

また2浪目で芽生えた「教育を変えたい思い」を、彼は大学に進学してから行動に移しました。

「2浪目にネットで情報を集めていたときに、東京大学の医学部の学生だった宇佐見天彗(すばる)さんという方を知り、英作文の添削をお願いしていました。彼とは教育の力で『地方の教育格差をなくしたい』という共通の思いがあったので、令和元年5月1日にYouTubeチャンネル『PASSLABO』を一緒に立ち上げて、教育に関する動画を発信し続けています」

並行して官僚になるための勉強もしていた桐原さん。大学2年生のときに出会った文部科学省の官僚の方に「実践するためには20年かかる」という現場の話を聞いたことで、すぐに今、現場でやれることをやりたいという思いから官僚への思いを断念します。

その後桐原さんは学校現場を知るために、宇佐美さんが立ち上げた株式会社ペイ・フォワードで、学校内予備校の事業に携わりました。

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