TBSが300億円で「やる気スイッチ」を買った真意 佐々木社長が重視する「視聴率」とは異なる指標
大好きなのに弱かった教育コンテンツ
――6月末にやる気スイッチグループを子会社化しました。なぜテレビ局が学習塾を買収したのでしょうか。
5年前の社長になったばかりの頃、毎週金曜日に若手とランチミーティングを行っていた。2030年に放送以外でどんな仕事をやりたいかを話し合う中で、「なんで教育のジャンルを触らないのですか?」という声が上がったのがきっかけだ。
僕らは「どうぶつ奇想天外!」や「世界ふしぎ発見!」のように、学校では教えてくれないことを学べるコンテンツが大好きだ。にもかかわらず、ここが弱いという話が出て、「知育・教育」を大きな柱に掲げようと判断した。
3年前に社名を「東京放送ホールディングス」から「TBSホールディングス」に変更したときの合い言葉が、「東京を超えろ。放送を超えろ。」だった。放送事業だけでないコンテンツ企業になると腹をくくり、会社としての拡張戦略の中に「知育・教育」というジャンルを入れ込んだ。
バレエ教室の展開などから始まり、より本格的な教育事業を志向する中でやる気スイッチグループに目をつけた。僕らは教育に関しては素人。プロではないので、本格的に教育事業をやっている人たちと一緒に学びたかった。
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