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絶好調U-NEXT、宇野康秀氏が振り返る2つの勝因 「リーマンショック時の失敗は繰り返さない」

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8期連続で過去最高の営業利益を更新したU-NEXT HOLDINGS。宇野康秀社長が勝因の1つとみる、過去の反省も生かしたガバナンス体制とは。

リーマンショック後に事業を手放した過去を振り返り、「仮に(売却した会社が)全部手元にあったらと考えると、いまだに少し悔しい」と本音を打ち明けた(撮影:尾形文繁)

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国内の動画配信サービス市場でシェア2位の「U-NEXT」が会員数を大幅に伸ばし、首位のNetflix(ネットフリックス)を猛追している。
昨年にTBSやテレビ東京の番組を配信する「Paravi(パラビ)」の運営会社を経営統合し、今年9月には動画配信サービス「Max」を展開するワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)とパートナーシップ契約を締結。『ハリー・ポッター』シリーズなどが見放題のラインナップに加わったほか、Maxを通じて日本発コンテンツの一部を世界配信することも発表した。
親会社のU-NEXT HOLDINGSは、社長CEOである宇野康秀氏の父が始めた店舗向けBGM「有線音楽放送」が祖業。会社を引き継いだ康秀氏は、通信事業、無料動画配信サービス「GyaO」や定額制「GyaO NEXT(現U-NEXT)」など新規事業に乗り出したものの、リーマンショックで赤字に陥ったことで次々と事業を手放した。
その後、2017年にUSENとU-NEXTが再統合して現在のホールディングス体制に移行すると、2024年8月期まで8期連続で過去最高の営業利益を更新している。
競争の激しい動画配信業界でU-NEXT HDが成長を続ける理由、グループ全体として再成長を遂げた背景や会社の将来像、後継者育成について宇野社長に聞いた。

【配信スケジュール】
10月30日(水)
ネトフリに迫るU-NEXT、快進撃導いた「堅実経営」

競合とは考え方が根本的に違う

――U-NEXTの月額料金は約2200円と、600~1600円前後を中心に展開する競合より高い価格設定にもかかわらず、国内で唯一、シェアを継続的に拡大しています。

ラインナップのジャンルの幅や作品数で差別化ができているのが勝因だ。1人当たりの動画視聴時間が伸び、1つのサービスだけに加入していても作品を見尽くしてしまう現象も起きているが、U-NEXTでしか見られない作品がたくさんあることで、複数のサービスを利用するユーザーのニーズにも応えられている。

最近は映画やドラマなどの映像作品だけでなく、音楽ライブや、格闘技やサッカーなどスポーツの分野でもコンテンツを増やし、新しい層のユーザーも獲得できている。

8月にはサッカーのプレミアリーグの全試合独占配信とサッカーコンテンツに特化した「サッカーパック」の提供を始めた。コアなファンに必ず加入していただけると予想していたが、想定を少し上回る数の加入があった。やはりスポーツコンテンツは引きが強いと感じている。

――ラインナップを充実させる戦略は、ほかのプラットフォーマーにはまねできないものなのでしょうか。

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