夏の甲子園、日本中を沸かせた「9つの重要テーマ」 「脱丸刈り」「慶応の応援」「チアへの盗撮」…

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7つ目の話題は、チケット高額転売。今夏は酷暑だったにもかかわらず甲子園のスタンドが満員となるケースが多く、準々決勝以降は各メディアが早期の完売を報じていました。その一方で、ネット上では高額転売が横行。定価の5~10倍以上で販売されていることが報じられ、「あまりに高すぎる」「学生が買えない」などと物議を醸しました。

今大会の入場券は2019年に施行された不正転売禁止法が適用されないほか、よほど悪質でなければ兵庫県迷惑防止条例での摘発もされづらいなど、高額転売への対策が不十分だった感は否めません。来年以降の大会では、購入者に氏名と連絡先を義務づけて不正転売禁止法の対象にするほか、転売防止機能を付けた電子チケットの導入などが求められていくでしょう。

また、大会運営側には、高額転売を行う人物への毅然とした対応や、「目当ての試合が終わって帰った」という人の空席をどうするのかなどの課題を解決する姿勢が問われそうです。

痛恨の誤審と慶応の応援マナー

8つ目の話題は、誤審の影響。準決勝の宮城県代表・仙台育英VS鹿児島県代表・神村学園の3回裏に映像を見ればわかるレベルの誤審があり、仙台育英が勝ち越し点を挙げたほか、一気に4点を取って試合の行方を大きく決定づけたことが批判を集めました。

ネット上は審判への批判にとどまらず、試合に勝った仙台育英を責めるようなものもあるなど大荒れ。NPBで導入されているリクエスト制度やリプレー検証がないことへの不満を含め、怒りの声があふれました。

現在はテレビ中継で映像が流れてしまうだけでなく、ネット上に動画がアップされてしまうなど、誤審騒動の影響は過去とは比べものにならないほど大きくなっています。バッシングを受けるリスクが高い割に報酬が安く、酷暑の重労働であるなどの理由から、「審判の担い手が減っている」という現実もあり、球児と審判を守るために甲子園限定のリプレー検証などが実現に向けて動き出していくでしょう。

ただ今夏は神奈川県大会の決勝戦・横浜vs慶応の最終回に、2点リードされていた慶応の大逆転勝利につながる誤審疑惑も大きく報じられました。その先に慶応が全国制覇するという結果もあって、リプレー検証の議論は甲子園に限らず来年も続いていきそうです。

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