夏の甲子園、日本中を沸かせた「9つの重要テーマ」 「脱丸刈り」「慶応の応援」「チアへの盗撮」…
もし球児たちに万一のことがあったら……指導者、学校、高野連などはどう責任を取ればいいのか。さらに球児だけでなく、アルプススタンドの応援団もしかり、ほかの部活動もしかり。猛暑がビジネスなどの大人の都合でスルーできないタームに突入したことを実感させられました。
2つ目の話題は、脱・丸刈り。今大会は準々決勝に勝ち上がった8チーム中3校が丸刈りではない髪型だったことが驚きを持って報じられ、その姿にスポットが当てられました。その後も、「準決勝に脱丸刈り2校が進出」「脱丸刈りチームが決勝進出」などと最後まで報じられたほか、帽子やヘルメットを取った姿が「イケメン」「プリンス」などと話題に。
脱丸刈りのシンボリックな存在だった慶応が優勝し、「イケメン」「プリンス」と言われた丸田選手が決勝で先頭打者ホームランを放つなど活躍したこともあって、この流れはほかの強豪校などにも加速しそうなムードが漂っています。ただ、その一方で「僕たちは自ら望んで丸刈りにしている」と話す球児も依然として多く、「メディアや視聴者が髪型でさわぎすぎ」という不満の声もあり、来年は話題にならないくらいのほうがいいのかもしれません。
3つ目の話題は、チアリーダーへの盗撮。チアリーダーへの盗撮による被害や対策が複数回によって報じられたほか、ネット上には彼女たちの画像がアップされていました。実際、検索エンジンに「チア」と入力すると、「2023 画像」「撮影」「脚」「かわいい」などの予測変換ワードが表示されます。
チアリーダーたちは踊っているときだけでなく、座ったとき、風が吹いたとき、汗で服が密着したときなどをつねに狙われているストレスフルな状態。そのため、出場4校がチアリーダーの衣装をスカートからハーフパンツに替えたほか、スタンドでの撮影を控えるように要請する高校もあったそうです。
チアリーダーだけでなく、マネジャーや女性アスリートたちに対するものも含め、盗撮への注意喚起や厳罰化には限界があるだけに、個人やチーム単位での防衛策が進められていくのでしょう。また、今後はテレビ中継でチアリーダーの全身や顔のアップを映すシーンを減らすなどの配慮が求められていきそうです。
土の持ち帰りと応援の新たなブーム
4つ目の話題は、土の持ち帰り。今大会は4年ぶりにベンチ前の土を持ち帰ることが許可され、試合に敗れた選手たちが土を集める姿がひさびさに見られました。
はじまった時期がわからず「100年近く前では」という説もあるほどの風習ですが、今大会では「土を持ち帰らないのが伝統」という広陵や、「土はいらない」と話す球児の存在などもクローズアップ。また、「グラウンド整備をする阪神園芸のスタッフがトンボで土を選手たちのところへ集める」「女性マネジャーが阪神園芸のスタッフに笑顔で頭を下げる」などのハートフルなシーンも注目を集めました。
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