ロッキンvsNHK「リーク騒動」に学ぶ3つの重大論点 カルチャー誌と報道機関は「伝え方」が違う
その後、8月10日になって、ロッキン公式サイトに、NHK水戸放送局からの回答が掲載された。その文章によると、水戸放送局はロッキンの茨城開催について「音楽ファンはもとより、地域振興に与える影響」などで関心が高いとし、関係者の取材を経て「広く伝える意義があると判断」したと返答。一方で「関係者の皆様が様々な調整を重ねてこられた実情をくみ取り切れて」いなかったとも認めている。
事務局は同日、2024年は8月に千葉市蘇我スポーツ公園(千葉市中央区)、9月に国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)で、それぞれ5日間ずつ開催すると発表した。
なぜNHK擁護派がいる? 重要な「3つの論点」
ロッキン公式サイトが、一連のやりとりを掲載したことにより、音楽ファンのみならず、多くのネットユーザーの注目を集めている。NHK側を徹底批判する人もいれば、ロッキンの主張を「身勝手だ」とぶった斬る人も見られるが(とくにメディア関係者に多い)、なぜ温度感が異なっているのか。以下、3つの論点があげられる。
・論点その1:「ニュースバリュー」の捉え方の違い
・論点その2:「情報統制」や「忖度」の捉え方の違い
・論点その3:カルチャー誌と報道機関の「伝え方」の違い
順に解説していこう。
・論点その1:「ニュースバリュー」の捉え方の違い
渋谷氏はコメント内で「そんなに緊急性のあるニュースなんでしょうか?」と綴っていた。そう言われると、数日後でも大差がないと感じる人もいるかもしれない。しかし、最初に報じたのがキー局ではなく、NHK水戸放送局だったことを考慮すると、見え方も変わってくるかもしれない。
ニュースバリューを判断する基準のひとつに、「経済効果」がある。千葉開催への変更が発表された直後、2022年1月5日の日経(日本経済新聞)電子版によると、「飲食店や交通機関を含めた経済効果は年間10億円近いとみられる」として、今後ひたちなか市や茨城県内に及ぼす経済的打撃が伝えられていた。
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