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熱を帯びる中国・習近平体制の権力動揺説、焦点は集権を維持して継承できるか、集権が生む課題を克服できるか

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習近平氏の権力が動揺しているという見方も広がる中、中国政治は運営方法のあり方が問われている。

中国からの各種発表や公式報道を読み解く中で、習近平氏の失脚説も出回っている (写真:Eric Lee/The New York Times)

7月1日の『人民日報』は、共産党中央政治局会議の開催を報じた。月1回の開催が慣例とされる同会議の久々の開催報道であったこと(前回は4月25日)、そして「党中央政策決定議事調整機構工作条例」(工作条例)を審議したことから、注目を集めた。

この報道が注目を集めるのは、工作条例の審議が、習近平氏と同指導部の権力がここ数カ月揺らいでいるという分析の根拠を支えているように見えるからである。同報道の翌々日に人民日報が、2023年10月に死去した李克強氏の生誕70年を記念する記事を掲載したことと併せて、権力動揺説をめぐる議論は熱を帯びている。

中国政治の実態は調整と取引

そもそも政策決定議事調整機構とは何かといえば、いわゆる政策過程(政策課題の設定、政策形成、政策決定、政策実施、そして政策評価)に関わる多様な部門間の利害を調整する役割を担う組織である。例えば中央外事工作委員会、中央国家安全委員会がある。

習指導部は、発足して以降、習氏個人への権力集中を企図して、こうした機構を新たに設置して、そのトップに習氏が就いた。現在は18の調整機構が存在するといわれている。

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