迷走する「NHKネット受信料」上層部の狙いは何か 総務省の有識者会議は一旦区切りがついたが…

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
NHKはネットに居場所を作れるか(写真:ニングル/PIXTA)

2021年11月に始まった総務省の有識者会議「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」がまとめの段階に入った。2023年8月31日に開催された第22回の会議で「検討会とりまとめ」が提示され、9月中はこれに対するパブリックコメントが募集された。その期限の9月28日も過ぎ、2年近くにわたる議論は一旦区切りがつき、10月から次のステップに進む。

NHK自身がネットで何をやりたいのか

この会議の分科会として進んだいくつかの会議も同時にまとめを迎えた。中でも私が注目したのは2022年9月に始まった「公共放送ワーキンググループ(WG)」、つまりNHKの今後を議論する会議だ。おかしな横槍が入った末の結論は、一人の視聴者として大いに疑問を持つ内容だった。

「公共放送WG」の焦点は、NHKのネット業務がこれまで「任意業務」として扱われていたのを、放送と同じく「必須業務」とするかどうかにあった。NHKは“あまねく人々”に必要な情報を届けるのが責務であり、特に若い世代のネット中心の情報生活を踏まえると、ネット業務も必須化すべきというのが「公共放送WG」の基本的な方向性だった。

欧州では放送をネットでも配信するのはとっくに当たり前になっており「必須業務化」が進んだ国が多い。会議では、フェイクニュースなどが問題になっているネット空間で、信頼ある情報を届けるNHKの役割は認めるべきとの考え方が共有された。

次ページ1月に会長が交替し、上層部の人事も一新された
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事