ロッキンvsNHK「リーク騒動」に学ぶ3つの重大論点 カルチャー誌と報道機関は「伝え方」が違う
野外音楽フェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL(ロック・イン・ジャパン・フェスティバル、通称ロッキン)」をめぐるニュースをきっかけに、SNS上では「報道のあり方」が議論されている。
今年のロッキン最終日の8月13日に発表される予定だった次回開催地が、NHKによって「ネタバレ」されてしまい、公式発表まで報道を待つよう求めていたロッキン側が抗議。ネットユーザーも巻き込み、「約束を破るな」「配慮不足」と非難するロッキン擁護派と、「取材で得た情報を報じるのは当然」と主張するNHK擁護派が、論争を繰り広げている。
ネットメディア編集者となって10年以上、「情報の扱い方」と向き合ってきた筆者からすると、この応酬は「雑誌とニュース報道の温度差」を強く感じる事案に思える。そこで、今回のコラムでは、「『ニュースバリュー』の捉え方の違い」「『情報統制』や『忖度』の捉え方の違い」「カルチャー誌と報道機関の『伝え方』の違い」という3つの観点から、この出来事を考察してみたい。
今回の騒動の経緯
ロッキンは2000年、音楽評論家で編集者の渋谷陽一氏が立ち上げ、現在も総合プロデューサーを務めるイベントだ。国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)で毎年開催されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年から2年連続で中止。2021年は開催1カ月前になって、茨城県医師会から「中止または延期」の検討を求められ、中止を余儀なくされたと明かしていた。
そして2022年からは、千葉市蘇我スポーツ公園(千葉市中央区)へと場所を移し、2023年も8月5・6日、11〜13日の5日間開催された。一方、今年5月に新型コロナウイルスが5類変更となり、全国的にイベント運営が緩和されたこともあり、音楽ファンを中心に「ひたちなかへ帰ってくるのか」と注目が集まっていた。
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