中国・華南に「空飛ぶクルマ」の経済圏構想が浮上 深圳市が新たな成長産業として育成目指す

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もう1社のオートフライトは、(宝安区政府との提携を契機にして)2023年10月に深圳市と(珠江を挟んだ対岸にある)広東省珠海市を結ぶ空飛ぶクルマのテスト運行路線を開設する計画だ。

オートフライトは深圳市と珠海市を結ぶテスト運行路線の開設を計画している(写真は同社ウェブサイトより)

「珠江デルタ地域は経済発展の水準が高く、人口規模も大きいが、珠江下流の(複雑に水路が入り組んだ)水域が地域間の地上交通の妨げになっている。空飛ぶクルマにとっては理想的な営業地域だ」。財新記者の取材に応じたオートフライトの関係者は、そう期待を示した。

耐空証明の取得がハードルに

今回の提携の背景には、深圳市政府が2023年の政府活動報告(施政方針に相当)の中で示した成長戦略がある。同報告は、深圳市に低高度空域経済圏を建設し、関連する製造業や運輸サービスなどを新たな成長産業として育成する方針を初めて打ち出した。

とはいえ、その実現は容易なことではない。空飛ぶクルマの商用運航にあたっては、機体の安全性を証明する耐空証明を航空安全当局から取得することが大前提だ。

中国では、イーハンのEH216-Sがすでに中国民用航空局の審査プロセスに入っており、現時点では商用化に最も近いポジションにある。だが、空飛ぶクルマの審査基準については国際的な共通認識がまだ形成されておらず、耐空証明の発給がいつ頃になるのか予測がつかないのが実情だ。

(財新記者:方祖望)
※原文の配信は7月14日

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