中国「空飛ぶクルマ」開発企業、量産工場を建設へ 小鵬匯天、政府系国有企業から約220億円調達

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小鵬匯天が開発中の「空飛ぶクルマ」は、飛行ユニットと地上走行ユニットが別体になった「分離式」の構造を採用している(写真は同社ウェブサイトより)

「空飛ぶクルマ」の開発を手がける中国の小鵬匯天(正式社名は匯天航空航天科技)は8月5日、シリーズB1の資金調達ラウンドで1億5000万ドル(約220億円)の出資を得たと発表した。同社はこの資金を元手に、空飛ぶクルマの量産工場の建設に着手する。

2020年12月に創業した小鵬匯天は、中国の新興EV(電気自動車)メーカー、小鵬汽車(シャオペン)の関連会社だ。シリーズB1の投資家について小鵬匯天は明らかにしていないが、財新記者の取材によれば、広東省広州市政府の国有資産監督管理委員会の傘下にある少なくとも3社の国有企業が出資に応じた。

それら3社の出資額は、広州開発区控股集団の子会社の凱得投資控股が7000万ドル(約103億円)、広州市政府系の国有企業が5000万ドル(約73億円)、広州市黄浦区政府系の国有企業が3000万ドル(約44億円)だった模様だ。

2025年の量産開始目指す

小鵬匯天の今回の調達額は、空飛ぶクルマの開発企業が公表した資金調達としては2024年に入って最大だ。このラウンドを通じて、小鵬匯天の企業評価額は10億ドル(約1465億円)を突破した。

同社は2021年末に実施したシリーズAの資金調達ラウンドで、5億ドル(約732億円)を超える出資獲得に成功した。これは中国の空飛ぶクルマ業界における過去最大の調達額であり、今も記録は破られていない。

空飛ぶクルマの量産工場は、広州市の広州経済技術開発区に建設する。今後の事業化スケジュールについて、小鵬匯天の創業者の趙德力氏は「2024年10~12月期から予約販売を開始し、2025年10~12月期に量産を開始する」という目標を明らかにしている。

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