中国の空飛ぶクルマ「100km超のデモ飛行」に成功 オートフライト、商用運航の実現へ一歩前進

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空飛ぶクルマは都市間の次世代交通手段として期待を集める。写真はオートフライトによる編隊飛行のデモンストレーション(同社ウェブサイトより)

「空飛ぶクルマ」の開発を手がける中国の峰飛航空科技(オートフライト)は2月27日、5人乗りの機体を使った都市間輸送のデモンストレーション飛行を成功させた。広東省深圳市の蛇口港から(珠江を挟んだ対岸にある)同省珠海市の九州港までの往復100キロメートル超を飛び、自動車なら約3時間の所要時間を約20分に短縮できることを実証した。

eVTOL(電動垂直離着陸機)とも呼ばれる空飛ぶクルマは、電動モーターでプロペラを駆動し、人を乗せて垂直離着陸が可能な飛行機械を意味する。旧来のヘリコプターより騒音が小さく、運用コストも低いとされ、都市間の次世代交通手段として大きな期待を集めている。

ヘリ運航会社が全面サポート

今回のデモ飛行は、深圳に本拠を置くヘリコプター運航会社の東部通用航空の全面サポートを得て実現した。

「空飛ぶクルマという新分野の航空機により、大河を横断する都市間飛行に成功した世界初の事例になった。わが社は航空安全当局や地元政府の支援のもと、飛行ルートの検討や飛行計画の策定にあたった」。東部通用航空は声明文を出し、デモ飛行の成功に胸を張った。

2017年に創業したオートフライトは、中国における空飛ぶクルマ開発のパイオニアの1社だ。当初は離島に物資を空輸する大型ドローン(無人機)の開発に取り組み、2021年から空飛ぶクルマの開発に着手。2023年7月には、空飛ぶクルマ関連の産業集積を目指す深圳市の「低高度空域経済圏」構想に呼応し、同市の宝安区政府と提携の覚書を交わした。

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