中国の空飛ぶクルマ「100km超のデモ飛行」に成功 オートフライト、商用運航の実現へ一歩前進

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空飛ぶクルマの商用運航を実現するには、航空安全当局から機体の安全性を公的に証明する耐空証明を取得しなければならない。

財新記者の取材によれば、オートフライトが今回のデモ飛行に使用した機体は、すでに中国民用航空局と欧州航空安全機関に対して耐空証明の申請書を提出済みだ。しかし審査結果はまだ出ていない。

深圳市政府は空飛ぶクルマ関連の企業誘致に力を入れる。写真はオートフライトとともに深圳市に進出した億航智能(イーハン)の空飛ぶクルマ(同社ウェブサイトより)

そんななかデモ飛行が許可されたのは、空飛ぶクルマの経済効果に期待する関係当局の後押しがあったからにほかならない。

深圳市、産業育成に強い意欲

例えば深圳市政府は2023年7月、一定の条件を満たした空飛ぶクルマの関連企業が同市に進出した場合、最大2000万元(約4億1786万円)の補助金支給を含む手厚いサポートを提供する政策を発表。企業誘致と産業育成に強い意欲を見せている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

また、東部通用航空は広東省と香港・マカオを結ぶ越境ヘリコプター航路の先行テスト企業として、(中央政府機関である)中国民用航空局の指定を受けている。今回、オートフライトがデモ飛行した都市間ルートは、東部通用航空がすでにヘリコプター航路として認可を得たものだった。

「将来はオートフライトの空飛ぶクルマを100機購入し、珠江デルタをカバーする都市間航路に投入したい」。東部通用航空はそう意気込む。

(財新記者:方祖望)
※原文の配信は2月28日

財新 Biz&Tech

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