中国の若年失業率の高止まりが続いている。国家統計局のデータによれば、16~24歳の若者の失業率は2023年4月に20.4%、5月に20.8%を記録。2018年の統計開始以降の最高値を2カ月連続で更新した。
そんななか、中国社会科学院の金融研究所は7月11日に発表したレポートの中で、若年失業率の上昇の背景を詳しく分析した。それによれば、若年失業者の3人に2人は大学院、大学、専科大学(訳注:日本の短期大学や高等専門学校に相当)の卒業者であり、学歴が高卒以下の若者よりも就職が困難な状況に直面している。
中国では、総就業人口に占める大卒以上の学歴保有者の比率が、2010年から2020年にかけて大きく上昇した。と同時に、失業者数に占める大卒者の比率も明らかに増加したと、レポートは指摘した。
中国経済のサービス化も一因
例えば、2020年の総就業人口に占める大学院および大学(訳注:専科大学は含まず)の卒業者の比率は9.8%、若年就業人口に限れば13.2%に高まった。その一方、同年の都市部の総失業者数に占める大卒者の比率が12.5%なのに対し、若年失業者では32.2%に上った。
若年失業率の上昇要因について、上述のレポートはまず中国経済の成長ペースの鈍化を挙げる。と同時に、中国の産業構造の変化に伴い、総就業者数に占めるサービス業従事者の比率が上昇した影響も大きいとしている。
と言うのも、2020年に始まった新型コロナウイルスの流行が雇用に与えた打撃は、製造業よりもサービス業のほうがはるかに深刻だったからだ。そのしわ寄せが、若年失業率の顕著な上昇となって表れたと、レポートは分析している。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は7月12日
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