中国の雇用情勢は、ゼロコロナ政策緩和後の持続的な景気回復とともに全体的には改善している。そんななか、若年労働者の失業率は逆に悪化を続け、2023年4月に過去最高の20.4%を記録した。
中国国家統計局が5月16日に発表した4月の雇用統計によれば、全国の都市部の失業率は5.2%と、前月より0.1ポイント低下。2022年以降の最低値を更新した。
その内訳を年齢別に見ると、主要な生産年齢人口である25〜59歳の失業率は4.2%と、前月より0.1ポイント低下した。ところが、16〜24歳の若者の失業率は前月より0.8ポイント上昇して20.4%に達した。この数字は2022年7月に記録した19.9%を抜き、2018年1月の統計開始以来の最高値となった。
高学歴者の増加も一因
若者の失業率はなぜこれほど高いのか。「2023年の大卒予定者が就職活動に入った(雇用統計の母数に加わった)ことや、若年労働者に占める大卒以上の高学歴者の比率が上昇していることが背景だ」。1カ月前の4月19日に開かれた記者会見で、国家統計局人口雇用統計司(訳注:「司」は日本の官庁の「局」に相当)の王萍萍司長はそう解説した。
これを理解するには、若年失業率の算出方法を知る必要がある。王氏によれば、都市部の16〜24歳の若年人口は2023年3月時点で9637万人。その3分の2の6418万人は主に学生であり、労働市場に参加していない。したがって、残りの3219万人から職に就いている2587万人を差し引いた632万人が、若年失業者としてカウントされる。
しかし実際には、632万人うち246万人は2023年の大卒予定者であり、そのほとんどが就職を希望している。「高学歴の若者の就職先が決まるとともに、若年失業率は下がっていく」と、王氏は予想している。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は5月16日
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