中国のサービス業が好景気に沸いている。5月5日に発表された2023年4月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は56.4を記録。前月(57.8)比では1.4ポイント低下したものの、好不況の目安である50を大きく上回る水準を維持した。
対照的に、中国の製造業では景況感の悪化が目立つ。前日の5月4日に発表された4月の財新中国製造業PMIは49.5と、前月(50.0)より0.5ポイント低下。目安の50を3カ月ぶりに割り込み、サービス業とのコントラストがより鮮明になった。
サービス業の4月の事業活動は、供給側と需要側の双方で活況が続いた。生産指数と新規受注指数は前月比では小幅に低下したが、数値としては2020年12月以降で(前月に次いで)2番目の高水準だった。
注目されるのは、(ゼロコロナ政策の緩和で)中国市民の海外旅行の制限が解除されたことによる旅行業の回復が、サービス輸出の拡大を牽引していることだ。サービス業の4月の新規輸出受注指数は、拡大基調と縮小基調のボーダーラインを4カ月連続で上回った。
雇用は3カ月連続で拡大
供給と需要の拡大が支えとなり、雇用も好調が続いている。サービス業の4月の雇用指数は、2020年12月以降の最高値を記録した前月比では低下したものの、3カ月連続で拡大基調を維持した。
そんななか、サービス企業は経営コストの急上昇に直面している。最も影響が大きいのは人件費の高騰だが、「原材料や事務用品の価格も値上がりしている」との声も調査対象企業から寄せられた。企業の多くは(コストアップの価格転嫁よりも)安定した受注の確保を優先しており、サービス料金を引き上げる余地は限られているのが実情だ。
サービス業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は、4月も引き続き高い水準で推移した。経営者の多くは、新型コロナウイルス流行の影響が薄れるとともに、景気全体や顧客需要がさらに拡大するとの自信を深めている。
(財新記者:夏怡寧)
※原文の配信は5月5日
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