中国の港を発着する国際クルーズ船の運航が、3年ぶりに再開される。中国交通運輸省は3月29日、国際クルーズ船の運航再開計画を公表。上海または深圳を起点とし、中国周辺の国や地域に寄港するルートの試験運航を順次認める方針を示した。
この発表を受け、翌3月30日にはクルーズ船運航会社の招商維京游輪(招商バイキングクルーズ)が、上海または深圳から日本に向かう「和の魅力を巡る15日間日本周遊クルーズ」の実施を発表した。中国政府が(2022年12月に)ゼロコロナ政策を緩和して以降、中国発着の国際クルーズ船の運航はこれが第1号となる。
招商バイキングクルーズは、中国の国有複合企業の招商局集団(チャイナ・マーチャンツ・グループ)が、アメリカのクルーズ船大手のバイキングクルーズと共同で2020年に設立した。中国の旅慣れた富裕層をターゲットに、中型の豪華クルーズ船によるツアー商品を企画・販売する。
大規模運航にはなお時間
上述の日本周遊クルーズの出港は6月または7月を予定しており、乗船チケットを4月中旬から売り出す。465室の客室すべてにバルコニーが設置された中型クルーズ船「招商伊敦(チャイナ・マーチャンツ・エデン)号」を使用し、日本の大阪、長崎、名古屋、広島などに寄港する計画だ。
中国発着の国際クルーズ船は、3年余り前の2020年1月に大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で発生した新型コロナウイルスの集団感染をきっかけに、全面的な運航停止が続いてきた。
今回の再開もまだ試験運航という位置付けであり、コロナ禍以前のような大規模な運航への復帰にはなお時間を要すると見られている。
例えば、中国のクルーズ船大手の中船嘉年華郵輪(CSSCカーニバルクルーズシッピング)は、大型クルーズ船「大西洋(コスタ・アトランチカ)号」の運航再開をウェブサイトで告知した。だが、それは上海と日本の沖縄の間を往復する4泊5日の短期ツアーで、6月下旬の出発を予定するものの、乗船チケットの予約受け付けは始まっていない。
(財新記者:李蓉茜)
※原文の配信は3月31日
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