中国では(ゼロコロナ政策の緩和後に生じた)新型コロナウイルスの大流行がピークを過ぎ、サービス業の景気回復が一段と加速している。サービスの需給拡大が雇用の増加に波及し始め、経営者の先行きに対するセンチメントも明るさを増す好循環に入ってきた。
3月3日に発表された2023年2月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は55.0と、前月(52.9)より2.1ポイント上昇。好不況の目安とされる50を2カ月連続で上回り、2022年9月以降の最高値を記録した。
また、2日前の3月1日に発表された2月の財新中国製造業PMIは51.6と、前月(49.2)より2.4ポイント上昇。目安の50を7カ月ぶりに上回った。製造業とサービス業のPMIがそろって50を超えたことは、中国経済全体が「ポスト新型コロナ」の回復軌道に乗ったことを示唆する。
サービス業の2月の事業活動は、供給側と需要側の双方で活況を呈した。生産指数と新規受注指数は、1月に拡大基調と縮小基調のボーダーラインを上抜けした後、2月はさらに2ポイントを超える上昇を示した。
企業の雇用意識が前向きに
市況が大きく改善し、新規受注が増加するなか、雇用拡大に長らく慎重だった企業の意識も前向きに変わりつつある。サービス業の2月の雇用指数は4カ月ぶりにボーダーラインを上回り、2020年12月以降の最高値にまで上昇した。
一方、気がかりなのは経営コストの上昇だ。調査対象企業の多くから、人件費、原材料、事務用品などが値上がりしているとの回答が寄せられた。しかし、市場はまだ完全回復には至っておらず、コスト上昇分をサービス価格に転嫁する余地は限られているとの声が多く聞かれた。
サービス業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は、12年ぶりの高さを記録した1月より若干低下したものの、2月も高水準を維持した。経営者の多くは、経済活動の正常化に伴う需要回復を追い風に、「少なくとも今後数カ月はビジネスの活況が続く」と予想している。
(財新記者:夏怡寧)
※原文の配信は3月3日
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