2023年の春節の大型連休(旧暦の正月、連休期間は1月21~27日)は3年ぶりに(新型コロナウイルス対策の)行動制限がなくなり、中国各地の景勝地や宿泊施設は大勢の旅行客でにぎわった。それに伴い、観光業や飲食業のビジネスが力強く回復。連休期間の個人消費に関するいくつかのデータは、新型コロナの流行前を上回る勢いを示した。
中国文化観光省が1月27日に発表した速報値によれば、春節の連休期間の国内旅行客は延べ3億800万人。2022年より23%増加し、(新型コロナ流行前の)2019年の9割弱まで回復した。金額ベースでは、連休期間の観光業界の売上高は3758億4300万元(約7兆1929億円)と、2022年より30%増加。2019年との比較では7割強の水準だった。
旅行予約サイト各社が公表したデータによれば、2023年の春節の予約実績はすでに新型コロナの流行前を上回っている。例えば携程旅行網(シートリップ)の予約件数は2022年の春節の4倍に増加し、過去3年間の最大件数を記録した。
省をまたぐ長距離旅行が復活
旅行需要の回復に牽引され、中国の消費全体も明るさを取り戻した。国家税務総局が1月27日に発表した速報値によれば、増値税(付加価値税)のインボイスの発行状況に基づく消費関連の事業者の売上高は、2023年の春節は2022年より12.2%増加。2019年との比較でも12.4%増加した。
春節の連休中は中国各地の飲食店に(入店待ちの)行列ができ、来店客の支出額も大幅に増加した。生活関連サービス大手の美団(メイトゥアン)が公表した(レストラン予約サービスの)データによれば、連休6日目までの1日当たり平均消費額は2019年の春節より66%増加。各地のレストランで(来店客が)多人数向けの店内飲食のコースメニューを注文した件数は、2022年より53%増加した。
国内旅行の行き先も大きく変わった。新型コロナの流行下にあった過去3年間は、地元周辺への近距離旅行がほとんどだった。しかし2023年の春節は、省をまたいだ長距離旅行が再び主流に返り咲いた。
例えば携程旅行網のデータでは、春節のホテル予約は(ユーザーの居住地ではない)他省のホテルを予約するケースが全体の7割近くを占め、2019年の春節を上回った。
(財新記者:孫嫣然)
※原文の配信は1月28日
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