中国の観光業界にとって最大級の書き入れ時である「国慶節」の大型連休(訳注:10月1日の建国記念日を含む7連休。2022年は10月1日から7日まで)。しかし、今年は新型コロナウイルスの流行が中国全土に拡散したことが響き、連休期間中の旅行客が大幅に減少した。
中国交通運輸省が10月8日に発表した速報データによれば、10月1日から7日までの間に国内の鉄道、(自家用車や長距離バスなどの)道路、船舶、航空機を利用した旅客数は延べ2億5554万人。1日当たり平均で3651万人と、前年同期比36.4%も落ち込んだ。
背景には、新型コロナの流行が波及した中国の都市数が過去最多を更新し続けていることがある。医療情報サービスの医渡雲のデータによれば、10月7日時点で感染者が確認された都市は、国内の31省・直轄市・自治区の171カ所に広がっている。
それらのなかには人気の観光地も多数含まれている。新疆ウイグル自治区の全域、雲南省のシーサンパンナ・タイ族自治州、湖南省の湘西州鳳凰県、チベット自治区のラサ市、内モンゴル自治区のフフホト市などでは、防疫対策の強化により地域を跨いだ人の出入りが厳しく規制され、域外からの観光客が激減してしまった。
航空機の旅客は16%減、鉄道は40%減
旅行サイト大手の去哪儿網のデータによれば、遠方への旅行需要の縮小に伴い、連休期間中の航空券価格は過去5年間の最低を記録した。同社を通じて予約された連休期間中の航空券の平均単価は650元(約1万3249円)と、前年同期に比べて12%下がった。
価格の下落だけでなく、実際の搭乗者数も低調だった。航空情報サービスの飛常準のデータによれば、連休期間中に飛行機を利用した旅客数は延べ約780万人と、前年同期比16%減少した。
道路と鉄道の旅客数は、減少幅が航空機よりさらに大きかった。交通運輸省のデータによれば、連休期間中に道路を利用した旅客数は延べ1億9824万人。1日当たり平均では前年同期比34.5%減の2832万人にとどまった。
また、国家鉄路局のデータによれば、連休期間中の鉄道利用者数は延べ4795万人、1日当たり平均685万人と、同40%の大幅減となった。
(財新記者:李蓉茜、包志明)
※原文の配信は10月8日
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