アメリカのコーヒーチェーン大手のスターバックスは9月13日、2025年に向けた中国戦略ビジョンを発表した。今後3年間で中国に3000店を新規出店し、2025年の店舗総数を9000店に増やす。また、同じく3年間で中国売上高の倍増、営業利益の4倍増を目指す野心的目標を掲げた。
スターバックスにとって中国は、本拠地のアメリカに次ぐ世界第2の市場だ。2022年4~6月期の決算報告書によれば、中国の店舗数は世界の総店舗数の16%を占め、グローバル売上高の約7%を稼ぎ出した。
同社は2022年9月末時点の中国の店舗数を6000店と見込んでいる。その3年後に9000店の目標を達成するには、計算上は9時間に1店舗のペースで新規出店を続けなければならない。
店舗数は瑞幸珈琲に抜かれ2位に
スターバックスが新規出店を加速する背景には、中国のコーヒー関連業界の急成長がある。浙商証券の予想によれば、業界の2018~2023年の年平均成長率は26%に、2023年の市場規模は1806億元(約3兆7367億円)に達する見込みだ。
そんななか、中国では本格的なコーヒーを提供するカフェチェーンの競争が激しくなっている。カナダのティムホートンズやイギリスのコスタなどの外資系チェーンに加え、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)など中国発祥の新興チェーンが次々に台頭。スターバックスの牙城に挑んでいる。
スターバックスは23年前に中国市場に参入し、カフェチェーン首位の座を長年にわたり維持してきた。市場調査会社ユーロモニターのデータによれば、2020年時点の(売上高ベースの)市場シェアは36%を超える。しかし店舗数に関しては、大量出店を続ける瑞幸珈琲に抜かれて2位に後退した。
2025年の目標達成に向けて気がかりなのが、新型コロナウイルスの今後の感染状況だ。2022年は上海市、北京市、深圳市などの(スターバックスの店舗が集中する)大都市で新型コロナの流行が頻発し、スターバックスの中国事業は(中国政府主導の)厳しい防疫措置の影響により大きな打撃を被った。
決算報告書によれば、2022年1~6月期の中国売上高は前年同期比27%減少。そのうち(新型コロナの感染が急拡大した)4~6月期の売上高は同40%も落ち込んだ。
(財新記者:胡静怡、沈欣悦)
※原文の配信は9月14日
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