中国のサービス業の景況感が急速に悪化している。新型コロナウイルスの流行が中国各地に拡散し、防疫措置が強化されていることが背景だ。
10月8日に発表された9月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は49.3と、前月(55.0)より5.7ポイント低下。好不況の目安とされる50を4カ月ぶりに割り込んだ。
前週の9月30日に発表された9月の財新中国製造業PMIは48.1と、前月(49.5)に続いて2カ月連続の50割れだった。サービス業と製造業のPMIがそろって景気後退基調に転じたことで、2022年6月以降の景気回復局面は終焉したと言えそうだ。
サービス業の9月の事業活動は、供給側と需要側の双方で弱含んだ。調査対象企業からは、「新型コロナの流行と厳しい防疫措置の影響で事業活動が制約され、サービス需要も減少した」との声が数多く寄せられた。
需給縮小にコスト上昇が追い打ち
供給と需要の同時縮小により、企業の雇用状況はさらに悪化している。サービス業の9月の雇用指数は拡大基調と縮小基調のボーダーラインを9カ月連続で下回り、6月以降の最低値に落ち込んだ。
そんななか、原材料コストや人件費の上昇が、企業の経営をさらに圧迫している。サービス業の仕入れ価格の指標である投入価格指数は、9月も引き続きボーダーラインを上回って推移した。企業が自助努力でコストアップを吸収するのは困難であり、販売価格の指標であるサービス提供価格指数は7カ月ぶりの高水準に上昇した。
サービス企業の経営者は、中長期的な先行きへの楽観を失っていないものの、その度合いは弱まっている。経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は9月もボーダーラインを上回ったが、その値は半年ぶりの低水準を記録した。
新型コロナの流行に終わりが見えないことや、中国国内の不動産不況の影響による信用リスクの高まり、グローバル景気の後退(による外需の縮小)など、経営者の不安の種は尽きない。
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は10月8日
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