2023年の中国経済はいくぶん回復する可能性があるが、ゼロコロナ政策、不動産市況の低迷、輸出の減速という「三重苦」に直面する――。大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは、来年の中国経済についてそのような見通しを示した。
「現時点で、われわれは2023年の中国の経済成長率を4.5%と予測している。しかし不確実な要素が多いため、この予測には大きな下振れリスクがある」。フィッチの中国担当チーフアナリストを務めるアンドリュー・フェネル氏は、11月24日に同社が主催したオンライン会議でそう指摘した。
同氏によれば、上述の予測は中国政府がゼロコロナ政策を継続することを前提に立てられた。2023年の中国の国内消費は(新型コロナウイルスの感染状況や行動制限の度合いに応じた)政策の影響が避けられず、振れ幅が大きくなる可能性があるという。
消費者は投資より貯蓄を優先
また、フェネル氏は中国人民銀行(中央銀行)の調査データを引用し、「(新型コロナの流行が始まった)2019年末以降、中国の消費者は貯蓄を増やし投資を減らす傾向にある」と指摘した。少なくとも短期的には(新型コロナの流行収束が見通せないため)消費者は楽観的になり得ず、自分の収入と雇用の先行きに強い不安を覚えているとの見立てだ。
不動産市場の低迷に関して、フェネル氏は「(不動産会社に対する融資規制や個人の住宅取得制限などの)引き締め政策の緩和はすでに始まったが、はっきりした市場回復の兆しは見えない。不動産会社の多くは資金不足のため新規投資の余力がなく、2023年も市況の改善は期待しにくい」と予想した。
過去2年余りにわたる輸出の好調は、中国の経済成長の牽引役を果たしてきた。しかしフェネル氏は、「今後数カ月でアメリカやヨーロッパを含む世界規模の景気減速が鮮明になるだろう。その影響を受け、中国の輸出は成長エンジンとして機能しなくなる可能性がある」と警鐘を鳴らした。
(財新記者: 程思煒)
※原文の配信は11月25日
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