中国の国有エネルギー大手の中国石油化工集団(シノペック)は11月21日、カタールの国営エネルギー企業のカタールエナジーと、液化天然ガス(LNG)の新たな長期供給契約を締結した。この契約に基づき、シノペックは年間400万トンのカタール産LNGを27年間にわたって調達する。
「今回の契約の締結は、中国の天然ガスの需要を満たすだけにとどまらず、中国のエネルギー消費構造のさらなる最適化や、エネルギー供給の安全性、安定性、信頼性の向上につながる」。シノペック董事長(会長に相当)の馬永生氏は、長期契約の意義をそう強調した。
シノペックにとって、これはカタールエナジーと締結した2回目のLNG長期供給契約だ。2021年3月、両社は初めての長期契約に調印。2022年1月から年間200万トン、期間10年のLNG供給がすでに始まっている。
カタールはLNGを大増産
カタールは天然ガスの埋蔵量が世界第3位、LNGの生産・輸出量でも世界有数の規模を誇る。2022年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始して以降、ヨーロッパ諸国はロシアに代わる天然ガスの供給源確保に懸命になっている。カタールはそれを好機と見て、世界のLNG市場でシェアを拡大すべく大増産に打って出ている。
2022年6月、カタールエナジーは(カタールの北部沖合にある)ノースフィールド・ガス田の東側への拡張プロジェクト(NFE)を始動。続いて同ガス田の南側への拡張(NFS)にも着手した。今回のシノペックとの契約は、それらから産出される天然ガスの初の長期供給案件となる。
カタールエナジーによれば、NFE とNFSの開発は史上最大級のLNGプロジェクトであり、2026年の生産開始を目指している。拡張プロジェクトの全面稼働の暁には、カタールのLNG生産能力は現在の年間7700万トンから同1億2600万トンに増加する見通しだ。
(財新記者:郭霽瑩)
※原文の配信は11月21日
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