中国の液化天然ガス(LNG)の輸入量が2021年に初めて日本を抜き、国別の輸入量で世界最大になったことがわかった。イギリスの調査会社のIHSマークイットが1月5日に発表したレポートのなかで伝えた。
このレポートによれば、2021年の中国のLNG輸入量は前年比17.8%増の8140万トン。一方、日本は同0.2%増の7500万トンにとどまり、1970年代から守っていたLNG輸入量世界一の座を中国に明け渡した。第3位は4640万トンを輸入した韓国で、前年比13.6%増加した。
LNGの国際相場は新型コロナウイルスの世界的流行の影響による低迷を経て、2021年に急上昇に転じた。東アジア向けのスポット価格は2021年1月に100万BTU(英国熱量単位)当たり30ドル(約3478円)をつけ、前年同月の6倍超に跳ね上がった。
その後、相場の動きはしばらく落ち着いていたが、2021年8月からアジア向けとヨーロッパ向けのスポット価格が再び上昇。同年12月にはついに100万BTU当たり40ドル(約4637円)に達した。
アメリカの液化プラントはフル稼働
中国は「二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにカーボンニュートラルを実現する」という国家目標を掲げ、CO2排出量が石炭より少ない天然ガスの利用を拡大している。中国のLNG輸入拡大が、スポット価格急騰の要因の1つなのは間違いない。
IHSマークイットのレポートはさらに、2022年内に(中国との政治的対立を深める)アメリカが世界最大のLNG輸出国に躍進すると予想する。
2021年の国別のLNG輸出量で世界一は、8300万トンを輸出したオーストラリアだ。しかし前年比の増加率は1%にすぎなかった。第2位のカタールは8130万トンを輸出し、増加率は2%だった。これに対し、第3位のアメリカの輸出量は前年比52%も増加して7360万トンに達した。
アメリカの天然ガス液化プラントの平均稼働率は、2020年7~9月期には43%にとどまっていたが、1年後の2021年7~9月期は98%とほぼフル稼働になっている。
2021年12月にアメリカエネルギー情報局(EIA)が発表したレポートによれば、新規に稼働する液化プラントを加えた2022年のアメリカのLNG供給能力は、前年比16%増の8550万トンに拡大する可能性がある。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は1月6日
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