中国の車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は10月27日、2021年7~9月期の決算を発表した。それによれば、売上高は前年同期の2.3倍の292億8700万元(約5230億6600万円)、純利益は同じく2.3倍の32億6700万元(約583億4860万円)と、大幅な増収増益を達成した。
寧徳時代の急成長の原動力は「新エネルギー車」の普及加速だ。中国汽車工業協会のデータによれば、2021年1~9月に中国国内で販売された新エネルギー車は215万7000台と、前年同期の2.9倍に増加した。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、電気自動車[EV]、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
CATLは高い技術力と生産能力をテコに、急成長する市場でシェアを伸ばしている。車載電池の業界団体のまとめによれば、中国市場での1~9月のメーカー別シェアは首位のCATLが50.8%を確保。2位の比亜迪(BYD)の16.0%、3位の中航鋰電科技の6.1%を大きく引き離した。
需要に追いつくため約7500億円投資へ
調査会社の高工産業研究院の予想によれば、車載電池および(再生可能エネルギー向けの)蓄電システム用電池の容量ベースの出荷量は、2020年の213GWh(ギガワットアワー)から2025年には7倍以上の1516GWhに増加する。CATLにとって、それは巨大なビジネスチャンスだ。
急増する需要に追いつくため、CATLは生産能力を猛烈な勢いで拡大している。同社は2021年8月、総額582億元(約1兆394億円)に上る巨額の第三者割当増資の計画を発表。そのうち7割超の419億元(約7483億円)を電池の増産投資にあてるとした。
今回発表した7~9月期の決算報告書を見ると、2021年9月末時点で建設途上にある生産拠点への投資総額は214億9500万元(約3839億円)と、2020年末時点の3.7倍に急増した。また、1月から9月までに投じた研究開発費の総額は45億9500万元(約820億6700万円)と、前年同期の2倍以上に増加している。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は10月27日
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