中国の車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は、アフリカのリチウム鉱山の開発プロジェクトに2億4000万ドル(約266億円)を投資する。9月27日、オーストラリアの鉱床探査会社であるAVZミネラルズが、同社が75%を保有するコンゴ民主共和国のマノノ鉱山の開発権のうち、24%相当をCATLの子会社に譲渡すると発表した。
マノノ鉱山は世界最大級のリチウム資源開発プロジェクトの1つだ。リチウムの推定埋蔵量は4億トンに達し、鉱石に含まれる酸化リチウムの品位は1.65%と高い水準にある。AVZミネラルズが2020年4月に公表したフィージビリティスタディによれば、年間70万トンの酸化リチウムを20年にわたり採掘する計画になっている。
AVZミネラルズからの権益買収の受け皿になるのは、鉱石販売を主力事業とする天華時代新能源産業投資という企業だ。CATLは2021年9月24日付で同社に出資しており、登録資本金が2000万元(約3億4320万円)から16億元(約274億5600万円)に急増した。なお、天華時代新能源産業投資の既存株主およびCATLの出資比率は公表されていない。
総投資額は440億円を超える見通し
今回の取引によって、マノノ鉱山の開発権の保有率はAVZミネラルズが51%、天華時代新能源産業投資が24%、コンゴの国営鉱山会社が25%となる。AVZミネラルズの開示情報によれば、天華時代新能源産業投資は鉱山施設の建設資金も支援することになっており、それを含めた総投資額は4億ドル(約443億円)を超える見込みだ。
CATLがマノノ鉱山の権益取得に動いた背景には、車載電池の生産に欠かせない主原料の1つであるリチウムの価格高騰がある。
非鉄金属の情報サービス会社である上海有色網の9月27日時点のデータによれば、中国国内市場の炭酸リチウムの相場は1トン当たり平均16万9500元(約290万8620円)と、年初比で3.2倍の水準に上昇。水酸化リチウムは同16万1500元(約277万1340円)と、同じく3.26倍に値上がりしている。
(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は9月28日
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