中国政府が「第3世代原子炉」6基の建設を認可 うち4基は米ウエスチングハウスの技術採用

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中国政府は第3世代原子炉の建設を加速している。写真は「AP1000」を採用した浙江省の三門原子力発電所の1・2号機(中国核工業建設のウェブサイトより)

中国国務院は4月20日に常務会議を開催し、浙江省の三門原子力発電所、山東省の海陽原子力発電所、広東省の陸豊原子力発電所の3カ所で新たな原子炉の建設を認可した。

今回認可されたのは三門原発の3・4号機、海陽原発の3・4号機、陸豊原発の5・6号機の合計6基だ。これらのプロジェクトは2007年に策定された中国政府の原子力発電中長期計画にすでに組み込まれており、長年にわたる準備と当局の評価・審査を経て、ようやく建設に漕ぎつけた。

注目されるのは、三門原発3・4号機と海陽原発3・4号機の原子炉に初めて「CAP1000」が採用されることだ。これはアメリカのウエスチングハウスが開発した「AP1000」をベースに、中国が国産化した第3世代の原子炉である。

なお、陸豊原発5・6号機は同じく第3世代の原子炉で中国が独自開発した「華龍一号」を採用する。

「カーボンニュートラル」実現へ建設加速

第3世代原子炉の建設コストは、発電設備容量1kW(キロワット)当たり約1万6000元(約32万円)とされる。その前提で試算すると、今回認可された原子炉の1基当たり建設費は200億元(約3997億円)、6基の総工費は1200億元(約2兆3982億円)に達する可能性がある。

中国の第3世代原子炉には、CAP1000と華龍一号のほかにもフランスやロシアの技術を採用したものがある。そのなかで、CAP1000は近年の米中関係悪化の影響を受けて建設認可が遅れていた。それだけに、今回4基にゴーサインが出たことは業界関係者の驚きを誘った。

本記事は「財新」の提供記事です

2021年末の時点で、中国の原発の総設備容量は5326万kWと、国内の総設備容量の2.4%を占めている。同年の原発の発電実績は4071億4100万kWh(キロワット時)に達し、中国全体の発電量の5%を担った。

中国政府は「二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにカーボンニュートラルを実現する」という長期目標を掲げ、(CO2を排出しない)原発をその実現の重要な手段に位置付けている。中国原子力エネルギー協会が2021年4月に発表したレポートは、中国で今後原発の建設が加速し、国産の第3世代原子炉が毎年6~8基認可されると予想している。

(財新記者:陳雪婉)
※原文の配信は4月21日

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