ドイツの自動車部品大手のボッシュが、中国の拠点での研究開発を強化している。同社は11月22日、上海市浦東新区に新たな研究開発センターをオープンした。この拠点では、高度な自動運転技術のプラットフォーム開発や、量産車への応用、車両のスマートコックピットの開発などを手がける計画だ。
浦東新区の研究開発センターは、ボッシュの自動運転技術部門が江蘇省蘇州市、上海市長寧区に続いて開設した中国3番目の拠点であり、それらのなかで最大規模を誇る。
「ボッシュにとって中国は(国別で)最大の市場だ。中国の顧客は最新技術を求める傾向が非常に強い。その需要に対応するため、わが社は中国での研究開発強化を決めた」。ボッシュ中国法人の執行副総裁(副社長に相当)を務める徐大全氏は、新拠点開設の背景をそう語った。
「100年を超える経験値が強み」
新拠点では、中国の設計チームによる高度な自動運転技術の開発を引き続き推進する。このソリューションは(高速道路や幹線道路だけでなく)都市部の一般道路や高架道路を含むさまざまな運転環境に対応できるという。
「中国のチームが開発したソリューションは(一定の条件下でクルマの運転をシステムが担う)『レベル3』の自動運転能力を持つ。すでに中国の顧客から受注を得ており、2023年後半に量産車に搭載される予定だ」
ボッシュの自動運転技術部門で中国地区のトップを務める李胤氏はそう明かし、中国の自動運転技術市場の現状について次のように語った。
「わが社の自動運転技術は、中国市場で激しい競争に直面している。だが、高度な自動運転技術はまだ普及の初期段階であり、現時点の市場シェアの大小は意味を持たない」
「ボッシュの強みは、100年を超える歴史に裏打ちされた自動車に対する深い理解にある。この理解は新興企業が一朝一夕には体得できないものだ」
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は11月23日
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