中国のパソコン最大手の聯想集団(レノボ・グループ)は11月3日、2022年7~9月期の決算を発表した。同四半期の売上高は170億9000万ドル(約2兆5177億円)と、前年同期比4.36%減少。純利益は5億4100万ドル(約797億円)と、同6%増加した。
レノボの四半期売上高が減少したのは2020年1〜3月期以来で、約2年半ぶりのことだ。背景には、新型コロナウイルスの世界的大流行をきっかけに生じた「リモートワーク特需」の息切れがある。その影響で、主力製品であるパソコンやスマートフォンの需要が振るわなかった。
「為替変動の影響を除けば、7~9月期の売上高は前年同期比3%増加した。自分は業績に満足している」。レノボCEO(最高経営責任者)の楊元慶氏は決算説明会でそうコメントし、強気の姿勢を崩さなかった。
同社は事業分野を大きく3グループに分けている。パソコン、タブレット、スマートフォンなどの「インテリジェント・デバイス・グループ」、サーバーが主力の「インフラストラクチャー・ソリューション・グループ」、サービス関連分野の「ソリューション・サービス・グループ」だ。
4月以降に需要減少が加速
そのうちインテリジェント・デバイス・グループの7~9月期の売上高は137億1600万ドル(2兆206億円)と、前年同期比10.58%減少。営業利益率は7.43%と、前年同期よりわずかながら低下した。同グループは総売上高の4分の3を稼ぎ出すレノボの屋台骨であり、リモートワーク特需の息切れの影響を最も大きく受けている。
調査会社のIDCのデータによれば、2022年の世界のパソコン出荷台数は、1~3月期は8050万台と前年同期比5.1%の減少にとどまっていた。しかし4~6月期は同15.3%減の7130万台、7~9月期は同15.0%減の7420万台となり、減少幅が2桁に拡大している。
「人口100人当たりのパソコン保有台数はアメリカが100台以上、ヨーロッパが60台前後なのに対し、中国はまだ18台に過ぎない。中国市場はまだ大きな成長の可能性を秘めている」
レノボの執行副総裁で中国地区の責任者を務める劉軍氏はそう述べ、パソコン市場の中長期的な成長に対して楽観的な見方を示した。
(財新記者: 劉沛林、胡静怡)
※原文の配信は11月3日
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