中国の労働力人口のなかで「ブルーカラー」の高齢化が進んでおり、40歳以上の比率が5割に近づいている――。中国首都経済貿易大学の中国新就業形態研究センターが先ごろ発表した研究報告書から、そんな実態が浮き彫りになった。
ブルーカラーは、建設業や製造業などの第2次産業とサービス業が中心の第3次産業の現場で働く賃金労働者を意味する。上述の報告書の推計によれば、2021年時点の中国のブルーカラー人口は4億人を上回り、7億4700万人の総就業人口の5割以上を占めている。
その年齢構成を見ると、ブルーカラーの平均年齢はすでに生産年齢人口の平均年齢(38.8歳)より高くなっている。冒頭で述べたように、ブルーカラー全体に占める40歳以上の比率は5割に近づいており、50歳以上が28%に上るなど、高齢化が顕著なのが実態だ。
若い世代の就業意識に変化
ブルーカラーの就業意識も変わりつつある。1980年代以前に出生したブルーカラーのほとんどは、「生活費を稼ぐため」に職を求めていた。しかし1990年代生まれや2000年代生まれの若いブルーカラーは、就職の動機が「自己の成長のため」に変化している。賃金水準だけでなく、仕事の安定性や安全性、将来の成長性などを重視するようになったと言える。
一方、雇用側では(高齢化や就業意識の変化に伴う)ブルーカラーの技能不足が問題になりつつある。なかでも「専門的技能を持つ人材の不足が深刻だ」と、上述の報告書は指摘する。具体的には、高度な設備を使いこなす能力、デジタル化されたツールや技術への適応力、データ分析力、プログラミング能力などだ。
未来のブルーカラーに対して、企業はさらに複雑な課題の解決力を期待している。例えば最新機器の(高度な)制御、ロボットの操縦、安全性の確認、操作手順の策定などである。
(財新記者:範俏佳)
※原文の配信は2022年12月30日
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