中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)で再びトップが交代した。7月17日夜、SMICは高永崗氏が董事長(会長に相当)、執行董事(執行役員に相当する取締役)などの職を辞任、同日付けで副董事長兼執行董事の劉訓峰氏が新董事長に就く人事異動を実施したと発表した。
今回のトップ交代は前回からわずか2年足らず。2021年9月、同社董事長であった周子学氏が健康上の理由で辞任、当時、最高財務責任者(CFO)であった高永崗氏が代理董事長を兼務し、2022年3月に正式に董事長に就任した。
劉訓峰・新董事長のSMICでの社歴は3カ月にも満たない。2023年5月12日に中国の国策半導体ファンドである国家集成電路産業投資基金からの推薦を受けて副董事長兼執行董事としてSMIC入りしたばかりだった。
SMICの董事会(取締役会)は減員が続いている。2020年12月には15名であったが、現在は8名。このうち執行董事の人数は5名から1名に減っている。
2023年1〜3月期は53%の大幅減益
中国のハイテク産業リサーチ機関である集邦諮詢顧問(トレンド・フォース)によると、2023年1〜3月期時点で、SMICは市場シェア5.3%を有し、台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子、アメリカのグローバルファウンドリーズ(GF)、台湾の聯華電子(UMC)に続く世界5位のファウンドリーだ。
中国の市場調査会社である群智信息技術諮詢(シグマ・コンサルティング)が、2023年に世界のファウンドリー業界の売上高を前年比約20.8%の減少と予測する中、SMICの業績も下振れ圧力にさらされている。2023年1〜3月期の同社の売上高は14億6200 万ドル(約2046億円)で、前年同期比 20.6%の減少、純利益は2億6700万ドル(約373億円)で、前年同期比53.1%の減少となった。
(財新記者:翟少輝)
2023年7月18日
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