中国の旅行予約サイト大手の携程集団(トリップドットコム)は7月17日、旅行業に特化した独自の生成AI(人工知能)「携程問道」を発表した。その主な用途は、顧客が旅行に出かける前に立てる旅行プランの作成支援サービスだ。
「汎用の大規模言語モデルをベースに、200億件の高品質な観光関連データを読み込ませた。さらに、携程が持つリアルタイムデータや過去に学習済みの検索アルゴリズムを組み合わせ、旅行業に特化した独自のトレーニングを施した」。携程集団の董事局主席(会長に相当)を務める梁建章氏は、携程問道の特徴をそう解説した。
同社が開催した発表会では、携程問道が(人間と対話するような)自然な言語処理を通じておすすめの目的地、ホテル、観光スポットなどを紹介し、予約のサポートを行うデモンストレーションが披露された。
梁氏によれば、オンライン旅行会社は生成AIの活用を通じて、旅行前、旅行中、旅行後のいずれの段階でも(顧客に対して)より質の高いサービスを提供できるという。
回答の信頼性はまだ不十分
なかでも旅行前の段階は、顧客にとって最も時間がかかり、なおかつ(予約手続きなどに)複雑な手順や判断が求められる部分だ。それだけに、生成AIの活用で顧客によりよい体験を提供すると同時に、業務効率を大きく高めることが期待できる。
とはいえ、携程問道はまだ社内テストの段階にあり、自ら利用を申請した顧客に限って提供されている。「生成AIはユーザーの質問に対する回答を自然な言葉で高効率に作り出すことができる。だが、その回答はまだ十分信頼に足る水準には達していない」と、梁氏は理由を説明した。
というのも、消費者にとって旅行は大きな支出を伴うイベントだ。それだけに、旅行業向けの生成AIには高い信頼性が欠かせないとの判断である。
「携程問道はまだ長い時間をかけてバージョンアップを重ねる必要がある。だが、少なくとも旅行業に特化した生成AIの分野において、わが社は先行者としての地位を築くことができた」。梁氏はそう自信を示した。
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は7月18日
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