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生成AIは「顧客接点」のあり方を根本的に変える ハブスポットCTO「ネットの登場と同じ変革だ」

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ハブスポットの最高技術責任者で、オープンAIの投資家でもあるダーメッシュ・シャア氏は、生成AIの可能性をどうみているのか。

オープンAIのサム・アルトマンCEOとは以前から親交があるというシャアCTO(写真:記者撮影)
テキストや画像などのコンテンツを自動生成できる「生成AI」は、企業のマーケターやセールスパーソンにとっても活用が課題となっている。
顧客管理(CRM)プラットフォームを提供するHubSpot(ハブスポット)の日本法人が2023年6月に発表した調査結果によると、生成AIを業務で使っていない人にその理由を問う設問に対して、「使い方がよくわからない」「特にない・わからない」を挙げた人が全体の62.6%、元々生成AIを認知していた人に絞っても34.4%だった。
同社は9月上旬、自社の年次イベントで生成AIを搭載した新機能群「HubSpot AI」などを発表。企業の生産性向上と顧客との深いつながりの創出を支援しようとしている。生成AIの台頭は、企業のマーケティングや営業の形をどう変えようとしているのか。ハブスポットの共同創業者でCTO(最高技術責任者)のダーメッシュ・シャア氏にインタビューした。

ChatGPTを通じて多数のタスクを実行

――9月初旬に開催されたイベントで、ハブスポットは中小企業の成長を支援する新しいAI製品と機能を発表しました。その詳細と狙いとは?

ハブスポットAIは、生成AIの技術を活用した複数の新機能を指す総称だ。マーケティング、営業、カスタマーサービスといった顧客対面部門の生産性やデータ管理の質とパフォーマンスの向上を後押ししながら、顧客との一段階深いつながりの構築を支援する。

たとえば機能の1つであるAIアシスタントは、企業のマーケティング、営業、カスタマーサービスチームを支援する生成AIツールで、ハブスポットのプラットフォーム全体で利用が可能だ。コンテンツの下書き作成から画像の制作、ブログ記事のアイデア出し、ウェブサイト構築、レポート作成といった作業をわずかな時間で完了することができる。

2023年3月にリリースした新機能ChatSpotは、マーケティング、営業、カスタマーサービスに関するカスタムレポートの作成や受信者へのパーソナライズを施したビジネスメールの作成など、 自然言語によるチャット形式の操作であらゆるタスクを実行できる(写真:会社リリースから抜粋)

ほかにもチャットスポットという機能では、ハブスポットのCRMをはじめとするデータソースから情報を取得し、オープンAI社が運営する生成AI「ChatGPT」を通じて多岐にわたるタスクを実行できる。チャットスポットは現在パブリックベータ版で提供されており、2023年3月のリリース以来、ユーザー数は合計8万人、プロンプト(指示や命令)の作成数は週間2万件に達している。

――生成AIの存在が、ハブスポットの主要顧客である中小企業に与える影響をどうみていますか。

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