セールスフォースによる巨額買収から2年が経ったSlack。巨大IT企業間での生成AI競争が過熱する中、サービス連携を通じた独自の拡大戦略とは。

生成AIで成長のチャンスは山ほどある
――IT企業の間で生成AIの開発・導入競争が急加速しています。CEOに就任して早々、経営に大きな影響があったのでは。
「ChatGPT」を手がけるOpenAIは、設立当初からスラックの顧客であり、2022年ごろから、ある程度の開発情報を共有してもらっていた。そのため生成AI自体に衝撃的な驚きはなかったが、一般の消費者が(業務などに)採用していくスピード感の速さはサプライズだった。
スラックのCEOになってから、オーストラリアやロンドン、アメリカの各都市、トロント、そして今回は東京と、世界中を訪れている。コミュニケーションの取れた各産業の経営層にとって、生成AIを取り入れたビジネスモデル転換や生産性向上は最重要課題だった。生成AIは日本に限った話ではなく、極めてグローバルなテーマだ。
SaaS(サービスとしてのソフトウェア)企業にとっては、顧客支援の可能性が広がることを意味するため、市場の成長を期待できる。そして、スラックは会話型インターフェースとして完璧であり、(生成AIの活用に有効な)多くのデータを持っている。成長のチャンスは山ほどある。
――5月には、生成AIを用いてチャット内のやり取りを要約したり、文章を自動作成できる機能を発表しました。
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