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セールスフォースが3兆円で買収「Slack」の現在地 新CEOが明かした「生成AI時代」の勝ち残り方

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セールスフォースによる巨額買収から2年が経ったSlack。巨大IT企業間での生成AI競争が過熱する中、サービス連携を通じた独自の拡大戦略とは。

1月、セールスフォースのSlack部門でCEOに就任したジョーンズCEO。創業者が去った後のSlackをどう率いるのか(左写真:梅谷秀司撮影、右画像:セールスフォース)
世界的なビジネスチャットツールの「Slack(スラック)」。2013年のプレビュー公開以降、右肩上がりにユーザー数を伸ばし、2019年には1日当たりのアクティブユーザー数が1200万人を突破した。
2021年、運営会社のスラック・テクノロジーズをCRM(顧客管理)ソフトウエアの巨人・セールスフォースが約270億ドル(約3兆円)で買収し、スラックは同社の1部門となった。セールスフォースとの連携や生成AIの活用について、2023年1月にスラック部門のCEO(最高経営責任者)に就任したリディアニ・ジョーンズ氏に聞いた。

生成AIで成長のチャンスは山ほどある

――IT企業の間で生成AIの開発・導入競争が急加速しています。CEOに就任して早々、経営に大きな影響があったのでは。

「ChatGPT」を手がけるOpenAIは、設立当初からスラックの顧客であり、2022年ごろから、ある程度の開発情報を共有してもらっていた。そのため生成AI自体に衝撃的な驚きはなかったが、一般の消費者が(業務などに)採用していくスピード感の速さはサプライズだった。

スラックのCEOになってから、オーストラリアやロンドン、アメリカの各都市、トロント、そして今回は東京と、世界中を訪れている。コミュニケーションの取れた各産業の経営層にとって、生成AIを取り入れたビジネスモデル転換や生産性向上は最重要課題だった。生成AIは日本に限った話ではなく、極めてグローバルなテーマだ。

SaaS(サービスとしてのソフトウェア)企業にとっては、顧客支援の可能性が広がることを意味するため、市場の成長を期待できる。そして、スラックは会話型インターフェースとして完璧であり、(生成AIの活用に有効な)多くのデータを持っている。成長のチャンスは山ほどある。

――5月には、生成AIを用いてチャット内のやり取りを要約したり、文章を自動作成できる機能を発表しました。

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