中国の製造業の景況感が再び弱気に傾いている。8月1日に発表された2023年7月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は49.2と、前月(50.5)より1.3ポイント低下。好不況の判断の目安である50を3カ月ぶりに割り込んだ。
7月の製造業の事業活動を見ると、供給側の指標である生産指数と需要側の指標である新規受注指数がそろって縮小基調に転換。前者は2023年2月以降、後者は同年1月以降の最低値を記録した。
その要因について、調査対象企業からは「景気の減速とともに顧客からの受注が減少し、製品の減産を余儀なくされた」などの声が寄せられた。
需要の落ち込みがとりわけ目立ったのが外需だ。海外市場の景気後退リスクの高まりを背景に、7月の新規輸出受注指数は2022年10月以降の最低値に沈んだ。
高まるデフレ圧力
景況感の悪化を受けて、製造業の雇用はさらに冷え込んでいる。7月の雇用指数は拡大基調と縮小基調のボーダーラインを5カ月連続で下回った。市場全体の需要が弱含むなか、調査対象企業の多くがコストダウンや業務合理化などを理由に、新規採用を減らしている。
金属などの原材料価格の値下がりに需要の縮小が重なり、製造業はデフレ圧力の高まりにさらされている。製造業の仕入れ価格の指標である購買価格指数は4カ月連続、販売価格の指標である工場出荷価格指数は5カ月連続の縮小基調を記録した。
「7月の製造業PMIが再び50を割り込んだことは、中国景気の下押し圧力が依然として強いという現実を示している。金融緩和を通じて供給側を刺激する景気対策は効果が限られており、(中国政府は)需要側に働きかける積極的な財政政策を優先すべきだろう」
財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は8月1日
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