中国のサービス業の景気が粘り腰を見せている。8月3日に発表された2023年7月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は54.1と、前月(53.9)より0.2ポイント上昇。好不況の目安である50を大きく上回る水準を維持した。
それとは対照的に、2日前の8月1日に発表された7月の財新中国製造業PMIは49.2を記録。前月(50.5)より1.3ポイント低下し、目安の50を3カ月ぶりに割り込んだ。総合的に見ると、製造業の景況感悪化に引っぱられる形で、中国企業の活力はやや低下していると言えそうだ。
サービス業の7月の事業活動は、供給側と需要側の双方で拡大基調が続いた。ただし、外需に関しては拡大の勢いがはっきりと低下。サービス輸出の新規受注指数は過去7カ月間の最低値に落ち込んだ。
楽観度の指数は長期平均割り込む
サービス業の雇用状況は改善が続いている。サービス業の7月の雇用指数は6カ月連続で拡大基調を維持し、2023年3月以降の最高値を記録した。背景には、サービス市場が活況を呈するなか、多くの企業が人手を増やして供給能力を高めようとしていることがある。
だが同時に、サービス企業は人件費、原材料費、物流費、(従業員の)居住費などの持続的な値上がりに直面している。サービス業の仕入れ価格の指標である投入価格指数は、7月も上昇基調と下降基調のボーダーラインを上回って推移した。販売価格の指標であるサービス提供価格指数は、厳しい市場競争の圧力を受けながらも、同じく上昇基調を保っている。
気がかりなのは、サービス企業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数が、7月は長期平均線を割り込み、過去8カ月の最低値となったことだ。
一部の経営者は、中国内外の景気が2024年にかけて回復に向かうとの見方を変えていない。だが全体的には、グローバル経済のさらなる減速を懸念する経営者が増えている実態を示唆している。
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は8月3日
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