在中国の日系企業の団体である中国日本商会は6月14日、中国のビジネス環境に関する日系企業の現状認識をまとめた「中国経済と日本企業 2023年白書」を発表した。
中国日本商会の会員は、中国に拠点を置く日系企業8300社余り。2023年版の白書は、2022年8月から9月にかけて実施されたアンケート調査を基に作成された。
注目されるのは(調査期間中には)新型コロナウイルスの厳しい防疫措置の影響があったにもかかわらず、調査に応じた日系企業の64.9%が「2022年の損益は黒字を見込んでいる」と回答したことだ。
さらに、今後の中国事業の展開について規模を「拡大」または「現状維持」すると回答した日系企業が、全体の9割超に上った。具体的には事業規模を拡大するとの回答が33.4%、現状維持が60.3%だった。なお、中国事業を「縮小」または「第三国に移転ないし撤退」と回答した日系企業は6.3%にとどまった。
ビザ免除の復活など要望
中国では2022年12月以降、新型コロナの防疫対策が大幅に緩和された。その後のビジネス環境の変化について、白書では「防疫対策が中国事業に与える影響や、日中間の往来に関するほとんどの問題が解決した」と評価した。
そのうえで中国日本商会は、中国観光客の日本への団体ツアー解禁や、中国を訪れる日本人への15日以内の短期ビザ免除措置などの早期復活を(中国政府に対して)要望した。
「日系企業としては、中国が引き続き改革に力を入れ、先行きを予見しやすい、より公平で透明度の高いビジネス環境を整備してもらいたい」
パナソニックホールディングスの副社長(グループ中国・北東アジア総代表)で、2023年4月に中国日本商会の会長に就任した本間哲朗氏は、白書発表の記者会見でそう期待を表明した。
(財新記者:曾佳)
※原文の配信は6月15日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら