宿題がサクサク進む子の親がやっている役割3つ 「消しゴム係、ヨイショ係、生徒係」とは何か?

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学習サポートの基本3『生徒係』子どもにやり方を教えてもらう

算数の計算などのやり方が、私たち親世代が子どもの頃から変わっていることがあります。先生と保護者とでやり方が違うと、発達障害のある子は「どっちが正しいの?」と混乱してしまうことも。

そういうときは、保護者が生徒係になって子どもにやり方を教えてもらいましょう。子ども自身の説明する力がつきますし、より深い理解にもつながります。

正しく教えられるかではなく、やりとりが大切

私は学習指導のとき、問題をコピーして生徒と一緒に解くことがあります。そのとき、つまずきそうなところを「ここはどうやるの?」と、まるで同級生のように生徒に聞いて教えてもらいます。

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生徒が「あれ? わからない」となったときは、「もしかしたらこう?」と私が説明を加えながら示して、「合ってる?」と聞きます。実際に正しく教えられるかどうかより、こういうやりとりが大切なのです。

また、「学校で教わっても1回で理解できるわけではない」と保護者がわかっていることも大切です。そうすると、子どもがどれくらい練習すると知識が定着するのかを観察したり、的確な質問ができるようになったりします。

ただし、ASDの子の場合は慎重に。「親と子」から「生徒と先生」へと役割が変わることが受け入れられず、「いつもと違うことをやらされた!」とか「本当はわかっているのに意地悪された!」など、不信感につながることがあるからです。

(出所:『発達障害&グレーゾーンの子の「できた!」がふえる おうち学習サポート大全』)
植木 希恵 「きらぼし学舎」代表、公認心理師

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うえき きえ / Kie Ueki

カウンセリングルームに勤務後、中学校で講師として心理学の知識と経験を生かした授業を行う。その中で発達障害の子どもと接する機会が増え、「不登校・発達障害傾向の子ども専門家庭教師」として独立。2014年、広島市で「きらぼし学舎」を開業。「心理カウンセリング×学習」というスタイルで、集団指導が合わない子、学び方がわからない子、集中力が続かない子、勉強で傷ついてきた子が「わかる!」を実感できる指導を行っている。現在も多くの生徒、保護者とセッションを続けており、学習指導歴は20年を超える。子どもの学習サポートを行うと同時に、母親に子育ての視点を提供するオンライン講座「お母さんのための心理学講座」を開講中。

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