変形性膝関節症の初期から、歩き方を変えることなく、そのままの日常を送ると、軟骨はどんどん削られ、変形性膝関節症は進行してしまいます。
変形性膝関節症の中期の人のレントゲンでは、関節の隙間がなくなっていて、荷重がかかると、大腿骨と脛骨がぶつかってしまうことがわかります。ひざ関節は外側に飛び出て、足はО脚変形となります。
ひざの内側軟骨がなくなるО脚変形は、両ひざがどんどん離れていくので、安定感があります。ひどくО脚の状態になられた奥様をお連れになった男性が「妻はひざが離れているので、お股の間から向こうの景色がよく見えます」と冗談を言われます。
X脚→ハサミ歩きになる人も
約9割がひざの内側の軟骨がなくなると書きましたが、ひざの外側の軟骨がなくなるのが全体の約1割。ひざの外側の軟骨がなくなると、ひざ関節は内側に入ってきて、足はX脚変形となります。両ひざがX脚変形になると歩きにくく、はたから見るとハサミ歩きと言われます。
О脚もX脚も、どちらの変形も中期になって、内側もしくは外側の軟骨がすべてなくなると、骨どうしがくっつきます。ちょうどぶつかる部分の骨はひときわ白く「石灰化」しているのがわかりますが、それは微小骨折が起こったり、治ったりを繰り返してきた歴史です。折れたところが治るとき、他の部分より多くカルシウムがつくので、石灰が沈着して強度を増すのです。手術でそこを開いたら、大理石のように硬い骨になっています。
微小骨折はカルシウムが沈着することで補修されると、痛みが取れます。 しかし、痛みが軽くなったと思って活動すれば、軟骨はないために、治ったすぐ近くに再び微小骨折が起き、痛みが出る。そんな繰り返しなので、変形性膝関節症の痛みには波があるように感じる人もいます。
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