つるかめ算、学んでも無駄と思う大人が知らぬ本質 実はさまざまな「ものの見方」がつまっている

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ここまでの思考実験から、キジをウサギと差し換える度に脚の本数は2本増えることがわかりました。

35羽全部がキジであると仮定したときの脚の本数(70本)は、本当の脚の本数(94本)に24本足りなかったので、「24÷2=12」という計算によって、キジを12羽ウサギと取り換えれば脚の本数は94本になることがわかります。

答え…キジ23羽、ウサギ12羽

さらに、こうしたつるかめ算の考え方は、「1つあたりの量が異なるものをいくつかずつ足し合わせたときの合計が与えられたとき、それぞれがいくつずつあるかを求める問題」ではつねに使えるという抽象化も大切です。式で書けば、つるかめ算が使える問題には

ア+イ=~
ア×a+イ×b=~

という構造が共通します。余計な情報をそぎ落として、この構造を見抜くことができれば、つるかめ算を通じて得られた知見を広く活かすことにつながります。

「つるかめ算」を長方形の面積で考える

また、つるかめ算は図解によって解くこともできます。

キジの頭数×2=キジの脚の数の合計

ウサギの頭数×4=ウサギの脚の数の合計

であることから、

横×縦=長方形の面積

を連想し、それぞれの脚の数の合計を長方形の面積で考えるのです。

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