つるかめ算、学んでも無駄と思う大人が知らぬ本質 実はさまざまな「ものの見方」がつまっている

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「つるかめ算」の原型は、5 ~ 6世紀ごろの中国(南北朝時代)の数学書『孫子算経』にある次の問題です

●雉兎同籠(ちとどうろう)問題
キジとウサギが同じ籠(かご)の中に入っている。上に35の頭があり、下に94の脚があるとき、キジとウサギはそれぞれ何羽いるか?

最初は鶴と亀ではなく、キジとウサギだったのですね。この問題は日本に伝わり、江戸時代には縁起の良い鶴と亀に書き換えられました。

この「雉兎同籠問題」を解いてみましょう。連立方程式を知っている大人には難しい問題ではないと思いますが、「つるかめ算」の経験がなく、方程式も知らない子どもにとっては決して簡単な問題ではありません。

まずは「思考実験」をしてみる

解決の糸口を探すために、最初にやってみるのは「思考実験」です。キジとウサギの頭数を適当に決めていろいろと試してみます。

ただし、より効率の良い思考実験を目指すなら、最初に極端な例を考えてみるといいでしょう。上の問題では「もし35羽が全部キジだったら?」と考えてみるわけです(全部ウサギだったら、と考えてもできます)。

キジの脚の本数は2本なので、35羽がもし全部キジなら脚の本数は「2×35」で70本ですね。でも、問題に与えられている脚の合計は94本ですから24本足りません。

そこで1羽だけキジをウサギに換えてみます。つまりキジが34羽、ウサギが1羽と考えるわけです。このときの脚の本数は「2×34+4×1」という計算で求めてもいいのですが、キジが35羽だったときとの差を考えると、計算が楽になります。キジが1羽減ったことで脚の本数は2本減りますが、代わりに入れたウサギの分の4本は増えています。結局、脚の本数は「4-2」で都合2本増えたことになるので72本です。

さらにもう1羽キジをウサギに換えたときも、同じように脚の本数は2本増えますので、脚の合計は74本になるでしょう。

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