中東への橋頭堡、マレーシアの消費事情

盛り上がるアジアの若者消費(マレーシア編)

クアラルンプールの繁華街、ブキッビンタン地区の様子
 今、多くの日本企業から注目を浴びる東南アジアは、平均年齢が20代の国ばかり。東南アジアでマーケティングをするということは、若者たちにモノやサービスを売る、ということと同義です。
 しかし、そこに暮らす若者たちの生態や消費傾向は、中国や韓国、台湾に比べて驚くほど知られていません。そこで、「さとり世代」「マイルドヤンキー」の名付け親にして若者研究の先端をいく博報堂の原田曜平と、世界70カ国の現地在住日本人にネットワークを持つTNCの小祝誉士夫がコラボレーション。現地調査を基に各国の状況をリポートします。

今回は、マハティール元首相の政策のおかげで、東南アジア諸国の中でも先んじて親日にシフトしたマレーシア。もはや国としては成熟の域に達したイスラム教国の若者たちは、どこに向かっているのでしょうか。

成熟ステージに入った「ルックイースト」のその後

マレーシアの人口は約3000万人。人種比率は、国教であるイスラム教を信仰するマレー系60%、クリスチャンの多い中華系が30%、インド系が10%という感じです。このうち最も消費力があるのは中華系。

東南アジアはどの国も中華系に富裕層が集中していますが、マレーシアも例外ではありません。また、マレー系と中華系では、読む雑誌やテレビ番組も異なっており、発信される情報やトレンドは分断しています。

マレーシアは、東南アジアの中では最も早い1980年代に親日へと舵を切りました。そのきっかけを作ったのがマハティール首相です。1981年から2003年という長期にわたって首相を務めたマハティールの「ルックイースト政策」をご存じの方は多いでしょう。

これは、国力を上げるべく日本の集団主義や勤労の精神を学ぼうとするもの。日本の製造業を見習い、自国ブランド育成に注力したのです。結果、マレーシアでは2つの国産自動車メーカーが育ちました。

次ページ韓流に熱狂する若者たち
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体
  • 夢を諦めない「脱会社員の選択」
  • 忘れえぬ「食い物の恨み」の話
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT