中東への橋頭堡、マレーシアの消費事情 盛り上がるアジアの若者消費(マレーシア編)

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リアルな場所での出会いが制限されているせいか、前述の2人も、「マレーシアの若者はFacebookで出会うことが多い」と言います。なので戒律が厳しい割に、Aさんがいた女子高のクラスでは、50%以上のクラスメートに彼氏がいました。現在、Aさんに彼氏はいませんが、「人種は気にしないけど、宗教(カトリック)が同じ人と付き合いたい」そうです。

そのAさんは26歳から30歳の間に結婚したいという願望を持っています。B君も28歳から30歳の間の結婚が希望。この年齢は隣国のインドネシアに比べると明らかに高いのです。「国が発展すると晩婚化が進む」というセオリーはよく知られていますが、ここにもマレーシアの成熟度がよく表れていると言えるでしょう。少しずつ日本の若者の結婚観に近づいているわけです。

中東への橋頭堡としてのマレーシア

アバヤ姿でショッピングを楽しむ中東からの観光客

現地調査によって再確認できたのは、成熟ステージにあるマレーシアにおいては、若者たちは裕福であればあるほど、消費の傾向が「モノ」から「コト」へとシフトしつつあるということです。

発展途上でイケイケの国の若者からは、「いい車が欲しい」「金持ちになって高いものが買いたい」といったギラギラした欲望が噴出していますが、マレーシアでは違います。

現在の日本の若者に近い傾向でもありますが、高価でハイスペックな「モノ」よりも、1回性の高い体験(ライブ)や友人との絆を強めるためのアクティビティといった「コト」を求める気分が上回っているのです。東南アジアでは珍しく、消費市場に「エコ」や「オーガニック」という言葉が登場するのも、成熟した国特有の現象と言えるでしょう。

そんな中、ひとつ面白い傾向が発見できました。それは、若者たちが隣国インドネシアに対して、激しい競争心を燃やしているということです。インドネシアもマレーシアと同じくイスラム教徒の多い国で(国教にはなっていません)、GDPはマレーシアより劣りますが、成長度は著しく、マレーシアを猛追しています。

マレーシアの若者の間には、インドネシアに追いつかれるのではないかという潜在的な危機感があるので、「インドネシアでは、もうみんな持っている」といったマーケティング的な打ち出しは、モノを売る際に有効なのです。

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