中東への橋頭堡、マレーシアの消費事情

盛り上がるアジアの若者消費(マレーシア編)

もうひとつ、マレーシアでビジネスをするにあたって押さえておきたいことがあります。それは、日本ほか諸外国が中東諸国へビジネス進出する際に、この国が東南アジアでいちばん重要な橋頭堡、強力な足掛かりになるということ。

中東諸国の富裕層はマレーシアによく訪れ、遊興費などでたくさんのおカネを落としてくれるのです。アラブ系専門の超高級ショッピングモールも存在し、そこでは高級品が飛ぶように売れています。

中東の富裕層がマレーシアを好む理由は、イスラム教の戒律が厳格に守られているから。食べ物ひとつとっても、ちゃんとイスラム教の法律にのっとった料理(ハラールフード)なので、安心して遊びに来られるというわけです。インドネシアもイスラム教徒の多い国ですが、マレーシアほど戒律を厳格に守ってはいません。

イスラム法上、合法な食材として認定されることを「ハラール認証」と言いますが、マレーシアはハラール認証を受けた証しである「ハラールマーク」を世界で唯一、政府が発行している国です。国のお墨付きだけあって、その信用度はピカイチ。実際、日本企業のキユーピーや味の素はマレーシアに工場を作り、ハラール認証を受けたイスラム圏向けの食品を製造しています。

このような背景から、現在のマレーシアには中東のオイルマネーが大量に流入しています。成熟ステージにあっても高いGDPをキープしている大きな理由が、ここにあるのです。

マレーシアは人口もそこそこ、成長は停滞、平均年齢もほかの東南アジア諸国に比べるとそんなに若くはありません。しかし、人口の多くを占めるマレー系は総じて多産であり、B君も男女8人きょうだい。未来的な消費ポテンシャルは十分にあるのです。日本に近似の「モノからコトへ」消費、インドネシアに対する競争心、そして中東富裕層向けビジネスの可能性。マレーシアの若者消費を考える際のキーワードは、この3点に集約されています。

(構成:稲田豊史)
 

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