中東への橋頭堡、マレーシアの消費事情 盛り上がるアジアの若者消費(マレーシア編)

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携帯電話でも韓国勢の強さがうかがえます。B君の周囲では、SUMSUNG製携帯の所有率が50%、BlackBerryが50%、iPhoneが30%。これは2台持ちも含めての比率です。Aさんに至っては、「友人の99%はSUMSUNGのスマホ、iPhoneは1%」とのこと。

さすがに極端な意見ですが、先述のとおりマレー系と中華系では接触メディアやトレンドが異なること、富裕層とロウアーミドルでは志向が異なることを考え合わせると、シェアが異なっていても不思議はありません。

喫煙に関しても、Aさんが「大学から吸い始める人はいるけど、周囲で吸っている人は見たことがない」と言う一方、B君は「若者の70%が吸っているし、小学生でも吸っている。若い女性でも15%くらいが喫煙者」と語っていました。ちなみにB君によれば、若者の間でいちばん人気のあるタバコ銘柄はダンヒルだそうです。

Facebookで出会う男女と晩婚化

マレー系の男性B君宅のリビング

マレーシアの物価は日本の3分の2くらいと、東南アジアの中ではあまり安くはありません。かつてマレーシアの物価は日本の3分の1という時代もありましたが、昨今は物価がどんどん上昇しているのです。

そんな中、Aさんの小遣いは月に80リンギット(1リンギット=約33円/2015年4月現在)。日本円にして2600円強です。彼女の友達は月に200リンギット(約6600円)くらいもらっているとのことなので、裕福な割に小遣いは少ないと言えます。

彼女いわく「友達はたくさん食べるし、たくさん消費する。私は勉強優先だから、少ないの(笑)」。ただ、ジャスコにあるインド料理店でバイトをしているB君の時給が5リンギット(約165円)、1カ月働いて700リンギット(2万3000円強)であることを考えると、月に80リンギットがそれほど少ないとは思えません。ここにも2人の階級差が垣間見えます。なお、B君はこの春からもっと時給がいい旅行代理店でバイトしたいと言っていました。そちらだと月に最高で1000リンギット(約3万3000円)稼げるそうです。

彼ら若者にとっておカネ以上に切実なのが、異性との交際です。しかしイスラム教の戒律が厳しいマレーシアでは、気軽に合コンやナンパというわけにはいきません。人目がない場所で男女がデートをしていると、宗教警察から注意を受けることもあるそうです。公共の場所で男女がいちゃつけない国なのです。芸能人であれば醜聞として新聞に載ってしまいますし、場合によってはそれで逮捕されてしまいます。

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