プロ野球「応援主体のマーケ」から転換する深い訳 ライトなファンを増やす「ボールパーク化」

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IDを持っている応援団そのものは50~100人程度と言われる。応援団は1球団当たり数団体ある。その周辺に一緒に熱心に応援をするコアなファンがいる。彼らは多くの球場で外野の一角に設けられた「応援席」で応援をする。さらにその外側に応援団の応援に合わせて手を叩いたり、声をあげたりする「普通のファン」がいるという構造だ。

応援団は本業の傍ら年間71~72試合のホームゲームのほか、ロードのゲームにも出向いている。143試合で応援のない試合は皆無だ。応援団はやりくりをしてロードゲームにも出かけている。「応援団」は、球団公認とはいってもあくまでボランティアだ。金も時間も、体力も、家族の理解もいる。

「プロ野球の応援は、味方の攻撃中はずっと立ったままで声を上げて体を動かして応援するんだ。最近、メンバーの高年齢化が進んでいるから、結構きつい。コロナ禍で応援できない期間が長かったので、メンバーは減ったよ。新入団員もいるけど、なかなか定着しなくてね」

IDを持っている球団公認応援団のメンバーは語る。地方球場では100人ほどしか応援団がいないケースも散見される。

ライトなファンを増やす「ボールパーク化」

実はNPB球団でも「応援中心のマーケティング」を見直す動きが出ている。応援団はマーケティング的にはいわゆる「リピーター」「ヘビーユーザー」ということになるが、こうした客層ではなく、もっとライトなファンを増やすべきではないかという声が出ているのだ。

MLB球団の本拠地では、来場者がバーベキューを楽しんだり、プールやジャグジーから観戦したり、食事やお酒を楽しむような観戦スタイルが一般的になっている。

一生懸命チームや選手を応援するのではなく「野球場の雰囲気を楽しむ」「家族が半日、野球場で楽しく過ごす」ようなお客が主流になっている。
球場自身もイベントやアトラクションをふんだんに盛り込んで、お客が飽きない演出をしている。いわゆる「ボールパーク化」だ。

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