日本が3回目の世界一に輝いたWBCが終わって1カ月半だが、まだ日本国内はその余韻に浸っている感がある。しかし選手にとってはWBCは相当きつい負担だったのだと今更ながら思う。
ロッテの佐々木朗希、オリックスの山本由伸らは今のところ順調だが、日本ハムの伊藤大海は3試合先発して勝ち星なし、阪神の湯浅京己は良い滑り出しだったが登録抹消、DeNA今永昇太は1カ月近い出遅れ。
打者では西武の山川穂高が登録抹消、ヤクルトの村上宗隆は打率1割台の不振にあえぎ、西武の源田壮亮はWBCでの負傷が癒えずファームで調整中。そのほかにも本来の調子を取り戻していない侍戦士が散見される。
解説者の藤川球児は「シーズン前の3月にテンションをマックスに上げすぎて、モチベーションの維持に苦しんでいるのではないか?」と語っている。それだけWBCのプレッシャーは大きかったのだ。
MLB組では、パドレスのダルビッシュ有は、WBCでは不振だったがMLBではローテを維持、カージナルスのラーズ・ヌートバーは開幕直後に負傷するも復帰、今年からMLBに挑戦したレッドソックスの吉田正尚も故障するが徐々に本領を発揮している。
「ピッチクロック」導入でも快投する大谷
そんな中で、まるでWBCなどなかったかのように、元気いっぱいにプレーしているのがエンゼルスの大谷翔平だ。彼はWBC出場選手中最多の9.2回を投げ、先発だけでなく最後はクローザーとしても登板。打者としても大活躍をしてMVPに選ばれている。費やしたエネルギー量はWBC参加全選手中でも最大だと思われるが、アメリカに復帰するとすぐに練習試合に登板。オープン戦でもハツラツとした姿を見せた。
シーズンが始まると開幕投手を務めるとともに中軸打者としてもフル出場。フィル・ネビン監督が気を遣って1試合欠場させたが、彼は「もっと野球がしたい!」とばかりに嬉々としてプレーをし、投打で好成績をマークしている。
筆者が驚くのは、今季からMLBは「ピッチクロック」を導入。投手は15秒以内に投げなければならないという厳しい制約が課せられたにもかかわらず、大谷はそれを易々と乗り越え、快投を演じていることだ。
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