「日比谷から4浪東大」彼が手放した優等生の呪縛 ギリギリで度々不合格、それでも目指した理由

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「日比谷高等学校に合格したときは、第2志望でも行きたい学校だったので『よかった』という気持ちもあったのですが、一橋大学のときはそれがなかったんです。東大に入ることだけを考えていたので、入ってからの生活がイメージできずに悩みました。一橋も素晴らしい大学ですが、『ここで終わりでいいのか!』と自分自身ずっと悶々としてしまったので、踏ん切りをつけるために辞退しました」

こうして迎えた2浪目は、前年の慢心を戒めて、最後までペースを乱さずに1浪目と同じ生活を徹底しました。

その結果、センター試験では92%とさらに自己最高を更新。直前期にも勉強を重ねて挑んだものの、1日目の数学の出来が悪く、茫然自失となってしまいました。

「数学で出題された大問6つのうち、1問しか完答できませんでした。1日目が終わってから、予備校に行って、チューターの前で『今年もダメかもしれない』と号泣したんです。なんとか立て直して2日目に臨んだのですが、結局合格最低点から8点足りませんでした。開示得点を見たら、数学はそんなに悪くなかったのですが、2日目の気持ちの切り替えが甘かったせいで落ちてしまったんです

2浪目は全落ち、3浪目に突入

「なんとしてもこの年は落ちたくない」といった焦りから、実力を発揮できず、結局この年も合格できなかった杉山さん。併願で再び受けた一橋大学と早稲田大学も落ちてしまい、全落ちで3浪目を迎えることになりました。

3浪目に突入した杉山さんは、自分がこれまでに落ちてしまった原因を分析し、「悪い真面目さがあった」と気づきました。

「今まで自分は、勉強時間を重視すればいいと思っていました。でも、努力することが目的になってしまっていたんです。自己流でも成績がある程度伸びたので勘違いしていましたが、量じゃなくて質を優先すべきでした。受かるために必要なことだけをやればいいことにやっと気づきました」

そう考えた杉山さんは、この年から前年までのやり方を一変させます。

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